文部科学省が考えるプログラミング教育方針とは?「2020年度からの新学習指導要領を踏まえた教育の情報化の推進について」講演レビュー
2020年から必修化されるプログラミング教育、国としてどのように進めていくかご存知ですか?
先日、文部科学省による「2020年度からの新学習指導要領を踏まえた教育の情報化の推進について」の講演を聞く機会がありましたので、ご紹介します!
固い文章での説明は、文部科学省のサイト等に公開されているのですが、この記事では所管である文部科学省はどのように教育の情報化推進を進める予定であるかを、簡潔にご紹介しますね。
背景等を知らずに勉強を進めるのではなく、何故プログラミング教育が必要になるのか本質を抑えて学習することをオススメします!
Contents
学習指導要領改定の背景・趣旨
どのような背景・趣旨のもと、改定されるのかご存知でしょうか。
技術の発展と人材不足
自動運転技術やロボットを活用した技術、最近ではGoogleのスマートスピーカーやiphoneのSiriなど、様々なところでAIが活用されています。
今は試験的な面も多い技術を、2025年度までに活用可能なレベルまで引き上げること(Society 5.0)を内閣府は検討しており、将来的には日本が抱える大きな課題(少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差)を、AIを活用して解決しようとしています。
もちろんAIの発達により代行できる仕事の多くは人の手から離れることになるでしょうが、その代わりAIを活用するべく新たな仕事も生まれることになるでしょう。
プログラミング教育を通してプログラミング技術を育むことが、AIを活用すべく仕事に就く最低条件となるのです。
現代の授業は今後通用しない?
現代の学校で教えられていることが、時代が変化いくと、通用しなくなるのでは?といった不安の声が挙がってきております。
諸外国に比べ、情報分野の学習が比較的遅れている状況ですので、無理もないかとは思います。
もちろん今の学校教育上学べることは、役に立たなくなることはありませんので、しっかりと取り組む必要がありますが、予測できない変化を前向きに受け止め、主体的に向き合い・関わり合い、身近らの可能性を発揮し、よりよい社会と幸福な人生の創り手となるための力を子供たちに育む学校教育の実現を目指す必要があると、文部科学省内では考えられているようです。
教育の情報化における、近年の主な取り組み
2020年に向けた準備は他方に渡り進められています。
学校のICT環境整備方針策定(2017/12)
・地方財政措置の拡充(2018~単年度1805億円)
小学校プログラミング教育の手引き策定(2018/3)
・今後「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」にて具体的な指導事例の情報発信を拡充
・教育の情報化関係予算を拡充(30年度予算:約7億円)
デジタル教科書の使用を可能とする制度改正
大学の教職課程において、各教科の指導法を学ぶ授業科目の中でも情報機器及び教材の活用を含めた内容を取得させるよう、教育教員免許法施行規則を改定(2017/11)
教育情報セキュリティポリシーガイドラインの策定(2017/10)
2020年度までに実施する施策具体例
では実際に、教育の現場にどのような整備がされるのでしょうか。
無線LANの教室整備100%
ICTを取り入れるために、最も重要であり最も最初に取り組むべきことが「インターネットが利用できる環境の整備」になります。何をするにしても通信が必要になります。
そのため、現時点では40%程度の整備環境を100%まで押し上げる必要があるのです。
授業中にITを活用して指導することができる教員の割合100%
今の教員の方々のうち、どの程度の方がまともに情報に関する教育ができるのでしょうか。
私自身、専門学校等で講師等を行っていましたが、先生の質も本当にピンきりです。
あってはいけないのですが、良い先生もいれば悪い先生もいるため、先生によっては質が大幅に変わってしまいます。
このような現実を少しでも失くす為に、文科省としては、教員への教育にも当然ながら力を入れているのです!
ICT支援員の導入
学校における教員のICT活用(例えば、授業、校務、教員研修等の場面)をサポートすることにより、ICTを活用した授業等を教師がスムーズに行うための支援を行う担当職員を各学校への配置を進める。
教員により、ICTの活用が大きな授業への障害になるケースも見受けられているため、各地方公共団体が独自に採用し準備を進めている。
なぜ小学校にプログラミング教育を導入するのか
- 子どもたちの可能性を広げることにもつながる。
- プログラミングの能力を開花、創造力を発揮
→起業する若者、特許を取得する子供も - 将来の社会で活躍できるきっかけ
コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要。
10年に一度の大きな転換点
学習指導要領は約10年に1度改訂されています。
今回は著しく発展している情報化やグローバル化に伴い、とても大きく変わっていて、全国どの地域でも一定の水準の教育を受けられるようにするため、カリキュラムの編成や基準を定める等も進んでいます。
2020年からは小学校、2030年からは社会を視野に入れて議論が進められていますが、今後の日本を担う若者たちへの教育に力を入れ、明るい未来を作ってもらうためにも、積極的に取り組めることは取り組んでもらいたいです。
小学生や中学生のお子様がいる家庭においては、プログラミング教育に対する前準備として、通信教育等を利用して少しでもプログラミングについて予習しておくことをオススメします。